はじめに
人は見た目だけではわからない
わたしはこれまで、「人は見た目だけではわからない」と頭ではわかっていたつもりでした。でも実際は「あの人はしっかりしている」「仕事もプライベートも毎日が充実していそう」「きっと仕事が好きなんだろうな」と、見た目や雰囲気で人を判断してしまうことがありました。
しかし、ある出来事をきっかけに、その考えが大きく変わりました。
バリバリ働く彼女の印象
口数は少ないけど、しっかりしていて頼れる女性
わたしの職場に、てきぱきと仕事をこなす年下の正社員の女性がいます。(わたしは派遣社員です。)
彼女は口数こそ少ないものの、とても頭が良く、Excelや細かい作業が得意で、忙しい中でもいつも淡々と業務をこなしていました。自分の意見もしっかり言えるし、周囲ともうまくやっていると、そう思っていました。
正直、「この人は仕事ができて、きっとやりがいを感じているんだろうな」と勝手に思っていたんです。
会議室で明かされた本音
実は…すごくつらくて…
ある日、彼女とわたしが同じ会議に出席しました。その会議には以前から彼女に対して厳しい態度をとる上司も同席していて、その日も彼女への口調はかなりキツイものでした。でも、彼女は強い人だから大丈夫だろう。そんなふうに、わたしは勝手に思い込んでいました。
会議の後、ふたりきりになったときに「おつかれさま。ちょっときつかったね……大丈夫?」と声をかけると、彼女は大粒の涙をこぼしながら、こう言いました。
「仕事も人間関係も、正直つらくてたまらない。毎日がしんどいです」
わたしは彼女が取り乱してしまったことにとても驚き、「泣いていいよ」「吐き出していいよ」と言いながら、彼女の話を聞きました。彼女が語ってくれたのは、こんなことでした。
- 業務量が多すぎるのに、フォローしてくれる人がいない。
- 残業続きで、終電になる日もある。
- 早く帰ろうとすると、隣りの先輩の目が怖くて帰れない。(早く帰れるほどの余裕があるんだ、と圧をかけられる)
- 上司によっては厳しい言葉をかけられたり、逆に完全に放置される。
- 実は最近結婚したのだけど、仕事が大変な中で自分が幸せになる報告をしてもいいものか躊躇ってしまい、報告できずにいる。
- 同年代の女性の同僚も必死に頑張っているから、自分だけ弱音を吐けない。
- 休職も、退職も考えている。
彼女は、マスクを涙で濡らしながらこれらのことを話してくれました。
そんな彼女の姿を前に、「充実している」「簡単なことでへこたれない」「仕事が好きなんだろう」と決めつけていた自分を深く反省しました。わたしは、彼女の本当の状態をまったく理解していなかったのです。なと、身をもって感じました。
人は見た目ではわからない
誰もが見えない荷物を抱えている
この出来事以降、わたしは本気で「人って、本当に見た目じゃわからない」と思うようになりました。
- 実は持病を抱えているかもしれない。
- 家庭で辛いことがあるかもしれない。
- 経済的に困っているかもしれない。
心の中で何が起きているのか、どんな事情を抱えているのかは、外からは決して見えません。
自分が見ているのは、その人のほんの一部でしかないと、身をもって気づかされました。
だからこそ、決めつけず、寄り添える人でいたい
誰かが完璧に見えても、誰かが明るく見えても、その人の「本当の状態」は決してわかるものではありません。だからこそ、「あの人はこういう人」と決めつけず、想像力を持ち、寄り添える人間でありたいとわたしは思っています。
「本当はどうなんだろう?」と一歩踏み込んで考えることで、相手との関係を温かくする最初の一歩になるはず、と思うのです。
まとめ
「人は見た目ではわからない」というのは、よく聞く言葉だと思います。
でも、それを本当の意味で実感するには、実際に経験するか、誰かとの深いやりとりが必要かもしれません。
わたし自身、自分の視点がいかに一面的だったかに気づくことができました。これからは「見た目だけで判断しない」ことを常に意識して人と関わるように心がけていきたいと思います。
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